本日2026年4月24日(金)から、飛行機に持ち込めるモバイルバッテリーのルールが大きく変わりました。 個数が1人2個までに制限され、機内でのモバイルバッテリー本体への充電、さらにモバイルバッテリーから他の電子機器への給電もすべて禁止に。違反すれば2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性もある厳しい改定です。しかも施行開始は最大12連休となる2026年GW直前。「知らなかった」では済まない時期に当たっています。本記事では新ルールの中身・背景・罰則・Whの計算方法・絶縁処理まで、出発前に押さえておくべきポイントを整理しました。
改定の背景|なぜ今このタイミングなのか
ICAOが3月27日に国際基準を緊急改訂
新ルールは、国連専門機関であるICAO(国際民間航空機関)が2026年3月27日に国際基準を緊急改訂したことを受けたもの。世界的に航空機内でのリチウムイオン電池火災事故が増加していることが背景にあります。
きっかけは韓国・金海空港のエアプサン便火災
改訂の直接のきっかけとなったのが、2025年1月に韓国・金海国際空港で発生したエアプサン便の機内火災事故。モバイルバッテリーが発火し、27人が負傷する大事故となりました。これを機に国際的にモバイルバッテリーの取り扱いルール強化が急ピッチで進められてきました。
日本は告示改正で対応
日本では国土交通省(航空局)が「航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示」および「航空法施行規則第194条及び航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示の運用について」の一部改正を行い、2026年4月14日に発表、本日4月24日(金)から施行されています。対象は日本発着の全航空便で、国内線・国際線ともに例外はありません。
2025年7月から継続している基本ルール
新ルールを理解する前提として、2025年7月から既に適用されている以下の基本ルールは引き続き有効です。
① 預け入れ手荷物への収納は禁止
スーツケースに入れて預けることはできません。モバイルバッテリーは必ず機内持ち込み手荷物として、自分と一緒に機内に持ち込む必要があります。これは発火時の対応速度を確保するためのルールです。
② 160Whを超えるものは持ち込み不可
160Wh超のモバイルバッテリーは、そもそも機内に持ち込めません。業務用の超大容量バッテリーは対象外となるため注意しましょう。
③ 100〜160Whは事前承認制
100Wh超〜160Wh以下のモバイルバッテリーは、航空会社の事前承認が必要。一般的な消費者用バッテリーは100Wh以下なので、多くの方には影響しませんが、プロ仕様の大容量モデルを持つ方は確認が必要です。
④ ショート防止のための絶縁処理
端子部分がショートしないよう、テープで保護またはビニール袋に入れて絶縁処理を施すのが必須。詳しくは後述します。
2026年4月24日から追加された3つの新ルール
ここからが本記事の核心。本日4月24日から追加された3つの新ルールを順に解説します。
① 持ち込み個数が1人2個までに制限
最大の変更点が、持ち込み個数の明確な制限です。
- 160Wh以下のモバイルバッテリーに限り、1人あたり最大2個まで
- 低容量のバッテリーでも、3個以上持ち込もうとすると保安検査場で没収される可能性
- 家族旅行なら1人2個×人数分なので、5人家族なら合計10個まで持ち込み可能
「低容量のバッテリーなら何個持っていっても大丈夫」という従来の考え方は、今日から通用しません。
② 機内でモバイルバッテリー本体への充電が禁止
2つ目が、機内電源からモバイルバッテリー本体への充電行為の禁止です。
- 座席の電源コンセント・USBポートからモバイルバッテリーを充電するのは禁止
- 違反すると罰則対象
- 出発前に自宅・ホテル・空港ラウンジでフル充電してから搭乗する運用が必須
これまで長時間フライト中にモバイルバッテリーを充電していた方は、完全に習慣を変える必要があります。
③ モバイルバッテリーから他の電子機器への充電(給電)も禁止
3つ目は、モバイルバッテリーからスマホ・タブレット・ノートPCなど他の電子機器への充電(給電)の禁止です。
- 機内でモバイルバッテリーをケーブルで他端末に接続して充電する行為は不可
- 搭乗中は電源を切るか、接続を外した状態で保管が求められます
- スマホを充電したい場合は、座席にあるUSBポート・電源コンセントから直接充電する運用に
つまり、機内ではモバイルバッテリーは「完全に使わない」前提。バッテリーは空港・ホテル・観光中など”機外”で使うものと位置付けが変わります。
荷物棚への収納禁止・手元管理が必要
加えて、以下もルールとして求められています。
- 座席上の頭上収納棚(オーバーヘッドビン)への収納は禁止
- 必ず手元または座席前ポケットなど、常に確認できる場所に保管
- 万一の発煙・発火時に速やかに対応できる状態を維持
航空会社共通の絶縁処理ルール|端子保護の徹底を
ANAやJALをはじめとした主要航空会社では、モバイルバッテリーの機内持ち込みに際してショート防止のための絶縁処理が必要とされています。
絶縁処理の具体的な方法
- 端子部分をテープで保護(絶縁テープが理想)
- ビニール袋・ジップロックに個別に収納
- 購入時の外箱に収納でも可
複数のモバイルバッテリーを持ち込む場合、それぞれ個別に絶縁処理を施すのが安全です。搭乗前の空港でテープ・ビニール袋を用意するのは面倒なので、自宅で出発準備時に済ませておくのがおすすめ。
予備のリチウム電池も同様の扱い
カメラ・ドローン・ノートPCの予備バッテリーなども、モバイルバッテリーと同じ扱いで個数カウントの対象となり、絶縁処理が必要です。機材バッテリーを複数持ち込むプロカメラマン・ビジネスパーソンは要注意。
違反した場合の罰則|軽い気持ちで済まない
航空法違反として厳罰化
新ルール違反は航空法違反として処罰の対象となります。
- 2年以下の拘禁刑
- または100万円以下の罰金
対象となるのは特に個数制限違反・バッテリー本体への充電・他機器への給電禁止への違反です。
「知らなかった」では通じない
罰則が実際に適用されるかは違反の悪質性・状況により異なりますが、「ルールを知らなかった」という抗弁は基本的に通らないと考えるべきです。保安検査場での没収・搭乗拒否に留まるケースが多いと予想されますが、特に悪質な違反(発火リスクの高い持ち込み方・指示無視など)は刑事罰対象となります。さらに、実際に発火事故を起こした場合は刑事責任に加えて高額な民事損害賠償責任も発生する可能性があります。
Wh(ワットアワー)の計算方法|自分のバッテリーを確認
計算式
持ち込み可否の判断基準となるワット時定格量(Wh)は、以下の計算式で求められます。
一般的なモバイルバッテリーの電圧は3.7V(リチウムイオン電池の標準電圧)です。
代表的な製品のWh換算
| 容量 | Wh換算(3.7V) | 持ち込み判定 |
|---|---|---|
| 10,000mAh | 37Wh | ✅ 問題なし |
| 20,000mAh | 74Wh | ✅ 問題なし |
| 27,000mAh | 99.9Wh | ✅ 100Wh未満でギリギリ |
| 30,000mAh | 111Wh | △ 事前承認が必要 |
| 43,000mAh | 159.1Wh | △ 事前承認要・160Wh以下でギリギリ |
| 44,000mAh以上 | 160Wh超 | ❌ 持ち込み不可 |
本体にWh表示がある場合はそちらを優先
計算式は目安として、バッテリー本体にWh表示がある場合はその数値を優先してください。メーカーによって実電圧が3.6V〜3.85Vと異なり、実際のWhが計算値と若干ズレるためです。
ほとんどの市販品は「問題なし」の範囲
家電量販店で売られているAnker・CIO・MOTTERUなどの10,000〜20,000mAhモデルは37〜74Whで、新ルール下でも問題なく持ち込めます。プロ仕様の大容量モデル(27,000mAh超)を持っている方だけが要注意です。
新ルール対応でおすすめのモバイルバッテリー





2026年GW直前に必要な準備
2026年のゴールデンウィークは5月2日(土)〜5月6日(水)の5連休が基本。平日2日を休めば最大8連休、前後の平日まで休めば最大12連休となる大型連休です。連休初日の4月25日(土)から出発する方も多く、新ルール施行直後のトラブルが想定されます。
出発前にやるべき5つのこと
① 持ち込むバッテリーのWh数を確認
本体のラベルか、パッケージに記載されたWh・mAh・電圧を確認。計算式でWhを算出し、160Wh以下に収まるかをチェック。
② 個数を2個以下に厳選
3個以上持っている方は2個に厳選。「サブ機」「予備」「家族分」などで数が増えがちですが、家族がそれぞれ自分で持てばOKなので、1人2個ルールを改めて意識しましょう。
③ 端子部分の絶縁処理を準備
- 絶縁テープまたはビニール袋(ジップロック)を用意
- 端子部分をテープで保護、またはバッテリーごと袋に収納
- 複数個持ち込む場合はそれぞれ個別に処理
④ 出発前にフル充電しておく
機内充電が禁止されるため、出発前に確実にフル充電。空港ラウンジのコンセントで追加充電しておくとさらに安心。
⑤ 機内で使うときは手元に
頭上の荷物棚にしまわず、座席前ポケットまたは手元に保管。万一の発煙時にすぐ対応できる状態を維持しましょう。
出発前チェックリスト
2026年GW前に、以下の項目を出発前に必ずチェックしてください。
- [ ] 持っているモバイルバッテリーのWh数を全て確認
- [ ] 160Wh超のバッテリーがあれば、旅行から除外
- [ ] 100〜160Whのバッテリーがあれば、航空会社に事前承認申請
- [ ] 持ち込む個数を1人2個以下に厳選
- [ ] 端子部分に絶縁テープ、またはビニール袋での絶縁処理を実施
- [ ] 出発前日までにフル充電完了
- [ ] 機内では頭上の棚ではなく手元で保管する意識づけ
- [ ] 機内コンセントでのモバイルバッテリー充電はしない
- [ ] 機内でモバイルバッテリーから他機器への充電もしない
- [ ] 家族旅行の場合、1人ずつ2個までの計算で個数を整理
- [ ] 予備のカメラバッテリー・ドローンバッテリーも個数カウント対象なので合算確認
よくある疑問Q&A
Q1. 100Wh以下なら個数は何個まで?
A. 1人2個まで。 容量の大小に関わらず一律2個制限です。
Q2. 家族5人なら合計何個持ち込める?
A. 各人2個まで、合計10個まで可能。 ただし「1人2個」の考え方なので、1人に集中して持たせることはできません。
Q3. 機内でスマホは充電できる?
A. 座席の電源・USBから直接スマホを充電するのはOK。 禁止されているのは「モバイルバッテリー経由の充電(給電)」。座席ポートから直接充電する分には問題ありません。モバイルバッテリーをケーブルで他の端末に接続して充電するのは、機内では禁止されます。
Q4. モバイルバッテリーを持たずに飛行機に乗ると何が困る?
A. 機内では完全に「使えない」前提に変わりました。 機内充電は本体への充電も他機器への給電も禁止のため、バッテリーは空港・ホテル・観光中など”機外”で使うツールと考えるべき。出発前のフル充電+機内Wi-Fi・動画視聴の節電運用+座席に電源ポートがあれば直接充電が現実解。
Q5. 違反したらどの程度の罰則が現実的?
A. まずは没収・搭乗拒否が多いと予想。 明確に悪質なケース(発火リスクを指摘されても無視するなど)で刑事罰対象となります。善意の旅客であれば保安検査場での是正指示レベルが中心と見られます。
Q6. ノートPC内蔵バッテリーや腕時計の電池はどう?
A. 機器内に内蔵されている場合は個数カウント外。 「予備バッテリー(本体から取り外して別に持つもの)」が個数カウント対象です。
Q7. 2027年1月から100Whに制限される可能性があるって本当?
A. JAL公式発表によると、IATA(国際航空運送協会)の規定変更により、2027年1月以降は100Whに制限される可能性があります。今回の160Whルールがさらに厳格化される可能性があるため、大容量モデルを買う方は慎重に検討してください。
まとめ|GW前に”バッテリー点検”を
本日2026年4月24日(金)から施行された新ルールは、多くの旅行者にとって直接影響する改正です。これまで何気なく持ち込んでいたモバイルバッテリーが、新ルール下では没収対象になる可能性もあります。
重要ポイントを改めて整理すると:
- 1人2個まで(160Wh以下に限る)
- 機内でモバイルバッテリー本体への充電は禁止
- モバイルバッテリーから他の電子機器への充電(給電)も禁止
- バッテリーは手元で常時確認できる状態で保管
- 端子部分は絶縁処理必須
- 違反時は2年以下の拘禁刑または罰金最大100万円の可能性
2026年GWは最大12連休の大型休暇。旅行先で初日から「空港でバッテリーを没収された」というトラブルに巻き込まれないよう、出発の前日までに必ず点検を済ませましょう。
国土交通省および利用する航空会社の公式サイトにも最新情報が掲載されています。出発前に一度は国土交通省航空局・ANA公式・JAL公式の発表を確認しておくと安心です。
本記事が2026年のGW旅行を安全・快適に過ごすための準備チェックの一助になれば幸いです。楽しい連休旅行をお過ごしください。
※本記事は2026年4月24日時点の国土交通省・航空会社公式発表に基づいています。最新の詳細は国土交通省航空局および利用する航空会社の公式サイトで必ずご確認ください。



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