ANAを使い始めたばかりの方が、最初に混乱するのが「プレミアムポイント(PP)」と「マイル」の違い。どちらもフライトで貯まるのに、使い道も、有効期限も、計算方法もまったく違う——この仕組みを理解しないまま飛行機に乗り続けると、せっかくの搭乗実績を活かしきれません。本記事ではPPとマイルの根本的な違いから具体的な計算例、SFC取得の仕組み、よくある疑問までを、初心者目線で徹底解説。読み終わる頃には「やっと理解できた」と思えるはずです。
PPとマイルの根本的な違い|まずは1枚で理解する
2つのポイントは”まったく別物”
ANAのフライトで貯まる「PP(プレミアムポイント)」と「マイル」は、同じフライトで同時に貯まりますが、目的・有効期限・使い道がまったく異なる別物です。
一目でわかる違いの比較表
| 項目 | プレミアムポイント(PP) | マイル |
|---|---|---|
| 役割 | ステータスを上げる指標 | 特典と交換するポイント |
| 貯める目的 | ブロンズ・プラチナ・ダイヤモンドになるため | 特典航空券・商品と交換するため |
| 有効期限 | 毎年1月1日にリセット | 獲得から36ヶ月 |
| 使い道 | なし(貯めても使えない) | 特典航空券・スカイコイン・商品交換 |
| 貯め方 | フライト搭乗のみ | フライト+ショッピング+カード決済など |
| 有効期限の例外 | なし(毎年リセット) | ダイヤモンド会員・ミリオンマイラーは無期限 |
PP=「資格取得の経験値」、マイル=「使えるポイント」
ゲームに例えるなら、PPはレベルアップに必要な経験値、マイルはアイテム購入用のコイン。役割がまったく違うので、「PPもマイルも両方貯めたい」という発想が正解です。
【図解】PP・マイル積算フロー
1回のフライトでPPとマイルがどう貯まるかを図解で整理します。

同じフライトが「資格判定」と「使えるポイント」に同時反映される——これがANAのマイレージクラブの基本構造です。
PPの計算方法|公式シミュレーションで確認しよう
PPの計算式
国内線の場合、計算式は「区間マイレージ × 積算率 × 2 + 搭乗ポイント」という独自形式になっています(国内線は路線倍率2が自動適用)。
羽田〜那覇の具体的なPP計算例
修行の王道ルート・羽田〜那覇(片道)で、運賃別に計算してみます。
| 運賃 | 積算率 | 搭乗ポイント | 獲得PP(片道) |
|---|---|---|---|
| ANA SUPER VALUE(運賃⑥) | 75% | 400 | 約1,476PP |
| ANA VALUE(運賃⑤) | 75% | 400 | 約1,476PP |
| ANA FLEX(運賃③) | 100% | 400 | 約1,835PP |
| プレミアムクラス(運賃②) | 125% | 400 | 約2,200PP前後 |
区間基本マイル(羽田〜那覇984マイル)をベースに、運賃ごとの積算率と搭乗ポイントが加算される仕組みです。
プレミアムクラスと普通席のPP差
同じ路線でも、プレミアムクラスは普通席より1.5倍程度のPPを獲得できます。SFC修行の終盤で「あと少しでプラチナ」という場面では、プレミアムクラスへの差額アップグレードが効率的です。
2026年5月19日のシステム刷新に注意
2026年5月19日(火)の国内線旅客サービスシステム刷新により、搭乗ポイントや運賃倍率のルールが一部変更されます。今後予約する際はANA公式の「ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション」で必ず最新の数字を確認してください。
マイルの計算方法|カードボーナスでグッと増える
羽田〜那覇の具体的なマイル計算例(SUPER VALUE運賃の場合)
- 区間基本マイル:984マイル
- 運賃倍率:75%(SUPER VALUE)
- フライトマイル=984 × 0.75 = 約738マイル(片道)
ここにANAカード保有者なら搭乗ボーナスマイルが加算されます。
ANAカード種類別の搭乗ボーナスマイル
| カード | 搭乗ボーナスマイル |
|---|---|
| ANA一般カード | +10% |
| ANA VISAワイドゴールド/ANAアメックス・ゴールド | +25% |
| ANAカード プレミアム | +50% |
例えばワイドゴールドなら、上記のフライトマイル738マイルに+25%のボーナス(約185マイル)が加算され、1フライトで約923マイルが貯まります。
年間で見れば大きな差に
17往復のSFC修行で考えると、一般カード(+10%)なら約12,300マイル、ワイドゴールド(+25%)なら約15,700マイル、プレミアム(+50%)なら約18,800マイルのボーナスが年間で上乗せ。カード選び一つで数千マイル単位の差が生まれます。
50,000PPでSFCが取れる仕組み
ANAのステータス3段階
ANAプレミアムメンバーには以下の3段階があります。
| ステータス | 年間PP | うちANAグループ運航便 |
|---|---|---|
| ブロンズ | 30,000PP以上 | 15,000PP以上 |
| プラチナ | 50,000PP以上 | 25,000PP以上 |
| ダイヤモンド | 100,000PP以上 | 50,000PP以上 |
SFC(スーパーフライヤーズカード)の申込資格は、プラチナ以上に到達した年にのみ得られます。
SFC取得の手順
- 1〜12月の1年間で50,000PP以上を獲得(うちANA便25,000PP以上)
- プラチナサービス事前サービス開始
- SFCカードを申込(発行後は年会費を払う限り半永久的に特典継続)
PPは毎年1月1日にリセット
PPの最大の特徴は「毎年リセット」です。2026年に49,000PPまで貯めても、2027年1月1日にはPPがゼロに戻るため、翌年持ち越しできません。「1年以内に50,000PP」という時間制限がSFC修行の本質です。
「25,000PP+ライフソリューション」ルートもある
2024年以降、ライフソリューションサービス利用(ANAカード決済額・ANA Pay・ANAマイルモール利用数など)と25,000PPの組み合わせでプラチナを達成する裏ルートが登場。SFC修行の”ブースト制度”として注目されましたが、SFC申込には通常プラチナ(50,000PP)が必要なため、この裏ルート単独ではSFC取得には届きません。条件の詳細はANA公式の「ライフソリューションサービス利用が多い方のステイタス獲得条件」で確認してください。
PPとマイルを両方効率よく貯めるコツ
① PP単価の良い路線を選ぶ
PP単価 = 運賃 ÷ 獲得PP。この数字が低いほど「安くPPが貯まる」ことを意味します。
- 羽田〜那覇:PP単価8〜10円(修行の定番)
- 羽田〜石垣:PP単価6円台(路線本数は少ない)
- 羽田〜新千歳:PP単価10〜12円
最もコストパフォーマンスが高いのは羽田〜那覇往復。修行者の王道ルートになっている理由はここにあります。
② ANAカードでマイル積算率を上げる
前述の通り、ANAカード保有で搭乗ボーナスマイルが加算されます。修行者なら最低でもワイドゴールド(+25%)を選ぶのが鉄則。年会費15,400円でマイル積算・マイル移行手数料無料・旅行保険まで付帯するため、修行のパートナーとして最適解です。
③ ANAマイルモールを活用する
ANAマイルモールは、楽天市場・Yahoo!ショッピング・じゃらん・Appleストアなど、提携ECサイトでの買い物時にマイルが貯まる公式ポイントモール。日常の買い物を経由するだけで月数百〜数千マイルが自動積算されるため、フライトに乗らなくてもマイルが増える貴重な仕組みです。
よくある疑問Q&A
Q1. PPは家族に分けられる?
A. 分けられません。 PPは完全に個人アカウントに紐づくポイントです。「ファミリー口座」のような合算制度もないため、家族それぞれが個別にプラチナを目指す必要があります。
Q2. マイルはPPに変換できる?
A. できません。 PP→マイルの変換も、マイル→PPの変換も不可能です。PPは「フライトで積む経験値」、マイルは「使えるポイント」として、最後まで分離した存在です。
Q3. PPが余ったらどうなる?
A. 翌年1月1日にリセットされ、消滅します。 12月31日時点でいくらPPが残っていても、翌年のステータス判定に使われるのはその年に獲得したPPのみ。ブースト目的で”貯め置く”ことは不可能です。
Q4. マイルの有効期限は絶対36ヶ月?
A. 原則36ヶ月ですが、例外があります。
- ダイヤモンド会員期間中:マイル有効期限が無期限に
- ミリオンマイラー(生涯100万LTマイルに到達):永続的に無期限
一般会員は36ヶ月で失効するため、計画的な活用が必要です。
Q5. ステータスの有効期間は?
A. 達成した翌年4月から翌々年3月まで。 例えば2026年中に50,000PPを達成すると、2027年4月〜2028年3月までプラチナ特典を利用できます。ただし達成月の翌月からプラチナ事前サービスとしてほぼ同等の特典を先行利用できる仕組みもあります。
Q6. スターアライアンス加盟社便でもPPは貯まる?
A. 貯まりますが、ANA便判定には注意が必要です。 スタアラ加盟社便の搭乗もPPとしてカウントされますが、プラチナ条件の「うちANAグループ運航便25,000PP」の”25,000PP”部分はANA便のみが対象。提携社便だけでは50,000PPに到達してもプラチナになれないので注意してください。
マイルの賢い使い道を知っておこう
PPは貯めてもステータスのためだけに消費されますが、マイルは実際の”使えるポイント”。代表的な使い道は以下の3つです。
- 国内線特典航空券(片道5,000〜10,500マイル)
- 国際線特典航空券(往復35,000マイル〜)
- ANAスカイコイン交換(1マイル→最大2.0倍)
特に国際線ビジネスクラスの特典航空券は、1マイル=6〜10円相当の価値で使える”マイルの最高峰の使い道”。修行で積んだマイルを、翌年のご褒美旅行に活用するのが定番のコースです。
まとめ|PPとマイル、両方を戦略的に貯める
ANAの「PP」と「マイル」は、同じフライトで同時に貯まる別物の指標。それぞれの役割を理解して初めて、ANAの制度をフル活用できます。
- PP:ステータス取得のための指標。毎年1月1日にリセット。50,000PPでSFC資格へ。
- マイル:使えるポイント。36ヶ月有効(例外あり)。特典航空券や商品に交換可能。
- 両方を同時に最大化する戦略として、PP単価の良い路線選び+ANAカード保有+ANAマイルモール活用がベストな組み合わせ。
飛行機に乗り始めたばかりの方は、まずANAマイレージクラブへの無料登録とANAカード発行からスタート。そこから数年かけてプラチナ・SFCを視野に入れ、マイルで旅のご褒美を手に入れる——それがANAユーザーの王道ストーリーです。
2026年5月19日にはANA国内線の旅客サービスシステムが刷新され、PP・マイルの計算ルールも一部変更される予定。最新情報は常にANA公式サイトでチェックし、賢くポイントを積み上げていきましょう。



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